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糖尿病

糖尿病について

糖尿病とは血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高くなる病気です。

膵臓から分泌されるホルモン(インスリン)が、血液中のブドウ糖を細胞の中に取り入れる役割を果たしていますが、上手に調節できなくなった状態を糖尿病・糖尿病予備群と言われる状態です。原因は大きく分けて2つあります。

  1. インスリンの量が不足する場合
  2. インスリンの働きが悪くなることにより、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高くなります。

結果として細胞のエネルギーであるブドウ糖が十分に補給されないため、全身の細胞の働きが悪くなり、特に血管が痛むことにより白内障・網膜出血、腎臓病、手足の神経異常、便秘などのさまざまな病気が痛みを伴わないで進行する、とても恐ろしい病気です。

のどが渇く、尿が多い、食べているのに痩せる、傷が治りにくい、疲れやすいなどの症状があるようなら採血をすればすぐにわかります。

驚くことに日本人の40歳以上の3人に1人が糖尿病・糖尿病予備群で、遺伝が関与する病気のため、親が糖尿病・糖尿病予備群の可能性があるようなら一度、採血を。

詳しいお話

糖尿病は、I型とII型の2タイプに分かれます。

I型糖尿病は、インスリンを作る膵臓のβ細胞が、ウイルス感染などをきっかけに破壊されて、身体の中のインスリンの量が絶対的に足りなくなって起こります。しばしば子供時代に発症することが多い。

II型糖尿病は、日本の糖尿病患者の95%以上を占めます。原因は両親からの遺伝によりインスリンが出にくい体質に加え、炭水化物・脂肪などの過剰摂取に、運動不足などの悪い生活習慣の結果、インスリンの働きが悪くなり発症します。

恐ろしい3大合併症について

この高血糖状態が長く続くと、全身の血管がボロボロになって合併症を引き起こします。

  1. 糖尿病網膜症(失明に至ることも)
  2. 糖尿病性腎症(やがて透析に至る)
  3. 糖尿病性神経障害

糖尿病性網膜症とは、網膜に細くて破け易い弱い血管が増生して、出血することにより良く物が見えなくなることです。また、レンズが曇り、見えなくなる白内障もよくみかけます。

糖尿病性腎障害も同様に血管が痛むことにより、尿にタンパクが出始めます。タンパクが出ることにより、さらに腎臓の機能は悪くなります。一度、悪くなった腎臓機能を回復することは困難であり、タンパク尿の原因である糖尿病の治療が大切になります。

糖尿病性神経障害もまた、手足の神経を栄養している血管が痛むことにより、しびれや違和感が出現します。糖尿病の治療でもなかなか良くならないようです。

これ以外にももっと怖い病気として、心臓の血管、冠動脈が細くなったり、閉塞する狭心症や心筋梗塞、頚動脈や脳の血管が詰まる脳卒中などの大きな病気も引き起こします。

これらの合併症は全く自覚症状がなく、少し血糖値が高い「糖尿病予備群」の段階からひそかに進行しています。そのため糖尿病もしくは糖尿病予備群と診断されたら少しでも早く、食事療法・運動療法、だめなら内服・インスリン注射による治療を始めます。

診断基準

血糖値とHbA1cを同時測定することにより初回でも糖尿病と診断できる。また、診断基準を満たさなくても過去に糖尿病と診断された記録がある場合、糖尿病の疑いとして経過観察します。

HbA1c【ヘモグロビン・エーワンシー】値とは、赤血球中のヘモグロビンのうちどれくらいの割合が糖と結合しているかを示す検査値です。
過去1-2ヶ月の血糖値の平均を反映するため、血糖コントロール状態の目安となります。血糖値が高い人はHbA1c値が高くなり、血糖値が低い人はHbA1c値も低くなります。

HbA1c値 5.4%(NGSP値)未満 ふだんの血糖値が正常範囲内の人

HbA1c値 5.4-6.4%(NGSP値) 時々血糖値が高めの人(境界型糖尿病)

HbA1c値 6.5%(NGSP値)以上 糖尿病

と考えられます。
(正確な診断には血糖値もあわせて評価します。)

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自覚症状

  • 急に体重が増える・または減少する
  • とてものどが渇く
  • 尿の回数が急に増えて、尿量も多い
  • だるい、疲れやすい
  • 両手足がしびれる

痛みやかゆみなどの自覚症状が全くない病気だけに怖い病気であり、検診で指摘されたり、自覚症状に近いものがあるようなら、一度、採血を。

治療について

糖尿病の予備群や初期の糖尿病は、食事療法と運動療法。薬は出しません。努力するだけで血糖は改善します。
中等度から重症の糖尿病の方は、食事療法と運動療法以外に、内服やインスリン注射を併用する場合があります。

治療効果について

糖尿病は完治する病気でないため、食事・運動療法の継続が必要となります。人によっては内服治療やインスリン注射も必要になります。糖尿病のコントロールはHbA1c値と血糖値でしかわからないため、1-3ヶ月ごとに採血を行うのが一般的です。そこで、HbA1cをこのように理解して、治療継続の励みにして下さい。

HbA1c値 7%(NGSP値)未満ならば合併症が少ない。また、HbA1c値 8%(NGSP値)以上の状態が続くと合併症が出現する可能性が非常に高くなります。

普段の血糖値によるHbA1c値の目安は以下のとおりです。

指標 不可
HbA1c値(NGSP値)  6.2%未満 6.2-6.8%  6.9-8.4%  8.4%以上
食前血糖値 mg/dl 110未満 110-129 130-159 160以上
食後血糖値 mg/dl 140未満 140-179 180-219 200以上
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